睡眠は私たちの健康、気分、人々との関係性など人生のほとんどの局面において、とても大切なものです。睡眠の欠乏はそれがたった1日や2日のことであったとしても、エネルギーや熱意、人生の楽しみを浪費させます。十分な安らぎに満ちた睡眠をとっていないと感じている人々がいる一方で、また、なぜストレスがたまり、怒りやすくなり、喜んで仕事に集中できないのか理解できない人たちもたくさんいます。
あなたは眠りにつくのにどうしていますか?ある人は、温めたミルクや一杯ののスリーピータイムティーに頼ったり、また、羊を数えるというような儀式を行っています。医者たちは睡眠を補助する薬を勧めるかもしれませんが、近ごろは、多くの人々が体に寝る時間を教えるベッドタイムのリチュアル(儀式)を勧めているようです。こころを慰める音楽や子守唄は子供たちにとって昔からずっと大事にされてきたベッドタイムのリチュアルです。そして、最近、中国では、音楽が快眠を可能にするという研究結果が発表されています。
(2006年)2月に”Advanced Nursing Journal”誌で発表された報告によると、実験に参加したのは60歳以上の成人で、夜眠りについたり、ずっと寝ているのがむずかしい人たちでした。研究者は、参加した人たち全員に45分間の「鎮静用音楽」のテープを与え、どのように音楽を聞いてリラックスするのかを教えました。参加者は6タイプの音楽を選ぶことができました。ひとつは中国の音楽、4つは西洋の音楽でした。そして、それぞれの音楽が以下の基準を満たすものでした。
- 1分間に60−80ビート
- ビートにアクセントがない
- シンコペーションがない
- パーカッション(打楽器)の特性を持たない
簡単に言えば、その音楽はゆっくりとした、目立ったビートやリズムを持たない音楽ということです。この種の音楽は 痛みをやわらげるものとして多数の研究で利用され、2錠の鎮痛剤を飲むのと同じほど効果があることがわかっています。
研究者たちが選んだ音楽タイプは、中国のオーケストラ、シンセサイザー、ハープ、ピアノ(現代)、オーケストラ(クラシック音楽)そして、ジャズでした。参加した人たちは、毎晩寝る前にテープを聞き、そして、眠りにつくのにどのぐらい時間がかかったか、どれほどよく眠ったか、翌朝の気分はどうだったかを毎朝記録しました。
その結果、毎晩ベッドタイムに音楽を聴いた人たちのうち43%が、検査したほとんどすべての項目で著しい進歩を遂げたことを示しました。いつもよりはやく眠りにつき、よりよく長く眠り、翌日、より気分がすぐれたと返答したのです。
この結果は3週間前に行ったスコアに比べると平均して23%も高いスコアを示しました。
夜眠りについたり、眠る能力を妨げる様々な原因がたくさんあり、また、眠りを改良する方法にも多くのいろいろな方法があるのは事実ですが、美しい音楽を聴きながら眠りにつくほどここちよいものはないのではないでしょうか?